基礎代謝を上げる方法は間違いが多い。正しい方法は?

基礎代謝を上げる方法としては筋トレが有名ですが、有酸素運動をするより筋トレをした方が基礎代謝が上がるというのは本当でしょうか。

また、有酸素運動をしても基礎代謝は全く上がらないのでしょうか。

基礎代謝は1日総消費カロリーを大きく左右する(1日総消費カロリーの約70%を占める)ので、ダイエットに深く関係する要素であるのは確かなことです。

また、無酸素運動(筋トレ)と有酸素運動(ジョギングなど)を含めた運動が基礎代謝を上げるというのも本当のことです。

しかし、筋トレが基礎代謝を上げる方法として一番効果的である、というのは間違いです。

正確に言えば、筋トレをしても基礎代謝は若干上がります。だけど、ダイエットに影響するほど基礎代謝は上がりません。

はっきり言えば、筋トレにはダイエット効果がほとんどないのです。

数値で表してみましょう。

普通の人が筋トレをした場合、1年間に増やせる筋肉の量は2.55kgです。そして、筋肉1kg当たりの基礎代謝量は13kcalです。

要するに、ダイエットのために筋トレをしても、1年間で増やせる基礎代謝量は33kcalに過ぎないのです。

筋肉は使えば発達しますが、休ませれば退化します。筋トレを適切な負荷で毎日すれば筋肉は増えていきますが、筋トレをさぼれば逆に筋肉量は減ります。

筋トレしたりさぼったりしている人だと、基礎代謝は全く上がらないことになります。だから、筋トレは基礎代謝アップにあまり役立たない運動なのです。

また、女性は男性よりも筋肉が増えにくい、という要素も考える必要があります。

女性は筋トレをしても筋肉が増えにくいので、もしあなたが女性なら、ダイエットで筋トレを行う意味はさらに低くなるわけです。

ダイエットと基礎代謝に関する誤解の1つとして、「基礎代謝による消費カロリーの大部分は筋肉が消費するカロリーである」というものが挙げられます。

しかし、筋肉による消費カロリーは、基礎代謝全体の18%に過ぎません。

参考までに基礎代謝による消費カロリーの内訳を書くと、肝臓(26%)、脳(19%)、骨格筋(18%)、腎臓(11%)、心臓(7%)、神経その他(19%)となります。

筋肉が消費するカロリーより、脳が消費するカロリーの方が多いわけです。

むしろ、筋トレをするよりも、有酸素運動をした方が基礎代謝は上がります。

なぜなら、有酸素運動は内臓を含めた全身の機能を使い切る運動です。だから、有酸素運動は筋肉だけでなく、内臓が関与する割合が大きい運動だと言えます。

しかし、筋トレは無酸素運動なので、主に筋肉(18%)しか使いません。

有酸素運動は筋肉(18%)を鍛える運動であると同時に、心臓(7%)も鍛えられます。もちろん、汗を流す時には神経その他(19%)も使われるでしょう。

とにかく、全身の基礎代謝アップに効果があるのが有酸素運動なのです。

また、有酸素運動は運動中の消費カロリーも比較的多いため、これも筋トレより有酸素運動の方がダイエット効果が大きい理由の1つになります。


参考)

■筋トレ1回当たりの消費カロリー
・腹筋…0.51kcal
・スクワット…0.38kcal
・腕立て伏せ…0.38kcal

■有酸素運動1時間当たりの消費カロリー
・速歩…161.7kcal
・ジョギング…346.5kcal

※体重55キロの人の場合


腹筋を50回(25.5kcal)、スクワットを50回(19kcal)、腕立て伏せを50回(19kcal)しても、消費カロリーは合計で63.5kcalです。

しかし、速歩を30分行えば消費カロリーは80.9kcalです。

さらに、筋肉しか鍛えられない筋トレとは違い、筋肉も内臓も鍛える速歩(有酸素運動)の方が基礎代謝も上がりやすいです。

だから、筋トレよりも有酸素運動の方が体脂肪の燃焼に有利なわけです。

次に、基礎代謝を上げる食事について解説します。

ダイエット中は体脂肪を減らすために食事制限を行いますが、食事制限で体脂肪を減らす時には必ず筋肉も減ります。

もちろん、筋肉が減れば基礎代謝も減ります。

しかし、筋肉の減少を緩やかにする食事方法というものが存在します。その食事方法とは、たんぱく質の摂取量を意識した食事制限です。

具体的には、食事制限中に体重1キロ当たり1gのたんぱく質を補うことです。体重が55キロの人なら、1日当たりたんぱく質を55g補うことになります。

生命維持のためにはたんぱく質が必要になりますが、ダイエット中にたんぱく質の摂取量が少なすぎると、生命維持に必要な分は体が筋肉を分解して利用します。

これ(筋肉の分解)を防ぐには、生命維持に必要な分のたんぱく質量を補えばよいのです。

筋肉の減少が緩やかなほど基礎代謝も温存できるので、ダイエット後のリバウンドを防ぐには重要ですね。

基礎代謝を上げる食べ物について。

基礎代謝を上げるビタミンはビタミンB1、ビタミンB2、ナイアシン、ビタミンB6、パントテン酸、ビオチンがあります。

また、基礎代謝を上げるミネラルには銅、マンガンがあります。

これらは体のエネルギー代謝に関与するビタミン・ミネラルなので、不足するとエネルギー代謝の効率が低下します。

具体的な食べ物としては、小松菜のような緑黄色野菜がベストですね。小松菜はビタミンもミネラルも豊富です。

その他、基礎代謝を上げるツボなどは非科学的なので考慮するに値しません。基礎代謝を上げる方法として、間違いの1つです。

基礎代謝を上げるサプリメントも基本的には存在しないでしょう。

ただし、酵素ドリンクだけは例外的に基礎代謝が上がります。

エネルギー代謝の過程(クエン酸回路など)で複数回の酵素反応が行われますが、酵素を補うことで酵素反応を助け、エネルギー代謝の効率が上がるからです。

基礎代謝は加齢によっても低下しますが、だからこそ基礎代謝の温存がダイエットには重要な要素になります。

ダイエット中はたんぱく質を十分に補うとともに、緑黄色野菜や酵素も補って基礎代謝の維持に努めましょう。