妊娠中の体重管理が必要な理由と摂取カロリーの目安

妊娠中に体重管理をしなければならない理由は、妊娠中の体重増加による妊娠高血圧症候群や妊娠糖尿病を防ぐため、さらに難産を避ける意味もあります。

しかし、妊娠後の体重管理は具体的にどのように進めていけばよいのでしょうか。

例えば、妊娠初期・中期・後期の摂取カロリーをいくらにするべきなのか気になると思います。妊娠中の摂取カロリーの目安については、次の通りです。

妊娠初期( 4~15週):+50kcal
妊娠中期(16~27週):+250kcal
妊娠後期(28~39週):+500kcal

ちなみに、授乳期の摂取カロリーは+450kcalです。母乳を作るために1日消費カロリーが450kcal増えるからです。

妊娠後は「赤ちゃんの分も食事で栄養を摂取しなければ」とあせる気持ちもあると思いますが、過剰にカロリーを摂取すると赤ちゃんとママの健康に問題が出てくるのです。

妊娠中の体重増加が問題になる理由の1つが、妊娠高血圧症候群を招くからです。

妊娠高血圧症候群とは、かつて妊娠中毒症と呼ばれていた症状のうちの、高血圧の症状を切り離して呼ぶ病名です。

妊娠高血圧症候群になると、尿蛋白や血管障害、臓器障害などを発症します。これがママと赤ちゃんの健康を害し、重症化すると母子ともに命の危険につながります。

妊娠高血圧症候群の原因ははっきりわかっていませんが、初産婦や40歳以上の妊娠の場合、妊娠前と妊娠初期の血圧が高い、肥満(BMI25以上)が原因と考えられています。

妊娠中の体重増加を避けるべきもう1つの理由は、妊娠糖尿病を招くことです。

妊娠糖尿病になると早産や流産しやすくなり、出生時には赤ちゃんが巨大児(出生体重が4000g以上)で生まれたり、低血糖が起きたりします。

逆に妊娠中にダイエットを行うと、赤ちゃんが低出生体重児(出生体重が2500g未満)で生まれてくる可能性があります。

低出生体重児は成長や発育が遅れたり、免疫力が弱かったり、成人後に糖尿病や高血圧などの成人病になりやすかったりします。

だから妊娠中の体重管理は、摂取カロリーが多すぎても少なすぎてもダメなわけです。

ついでに書くと、妊娠前から妊娠初期にかけて摂取しておきたい栄養素は葉酸です。この時期に葉酸が不足すると胎児が二分脊椎症になるリスクがあるからです。

妊娠初期(妊娠4~15週)は必要摂取カロリーが50kcalプラスされるだけなので、妊娠前の食事量とほぼ同程度で問題ないでしょう。

むしろ、赤ちゃんのために食事の量を増やさなければ、という意識が妊娠中の体重増加をを招いてしまいます。

妊娠中期の+250kcalはご飯1膳分のカロリーを追加するイメージ、妊娠後期の+500kcalはご飯2膳分のカロリーを追加するイメージです。

ただ、炭水化物だけでなく他の栄養もバランスよく摂取する必要があるので、ご飯だけでなくおかずを含めて摂取カロリーを増やす必要があります。